[話題]消費税率が引き上げられました。

 17年ぶりに消費税率が引き上げられました。昨日からけさにかけてのニュースは,料金の改定に追われる事業者と,家計防衛のために買いだめしたり,定期券購入のために長い列を作ったりしている消費者の姿ばかりを追っていましたが,けさの東京新聞一面は,「理念忘れた8%」「社会保障拡充果たせず負担先行」といった見出しが並び,何のための消費税率引き上げであったのかが,改めて問い直されています。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014040190072343.html

 また,東京新聞は社説でも,「国民の痛みに心を砕け」として,でたらめの景気対策を厳しく断じています。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014040102000147.html

 増税分を先取りする形で景気対策を名目とする公共事業は増加しているようで,実際,筆者の住む地域でも,3月下旬になって急に道路を雄掘り起こし,日曜日や雨天も関係なしに,公共工事が続いています。

 今後は,2015年10月に予定されている10%への税率引き上げの是非が焦点となりますが,最後に,東京新聞の社説を引用しておきます。

 安倍政権は企業活動を活性化させることで経済成長を目指すが、格差や貧困などへの目配りがなさすぎる。消費税増税の対応には、それが如実に表れている。 10%への引き上げは慎重にすべきだ。今回の増税後の経済情勢を踏まえ、時期や税率の引き上げ幅、低所得者年金生活者への配慮を十分に検討する。GDP(国内総生産)の数値だけでなく、声なき声に耳を傾け、国民の痛みに心を砕いてほしい。

【税理士 米澤 勝】