[話題]富士通株式会社第113回定時株主総会

 今日は,富士通株式会社の第113回定時株主総会に出席しました。
 今年の株主総会は,期末配当を見送ったことについて,山本社長がどのような言葉で説明するかという点に大いに注目していました。といいますのも,2013年3月期,LSI事業からの撤退やヨーロッパ子会社の合理化などから多額の構造改革費用を特別損失として計上したことで,期末配当は見送られましたが,これらはいわば過去の負の遺産であり,これで膿が出し切れたのかどうか,次期以降,業績回復は可能なのか,よくわからないからです。
 冒頭,山本社長から期末配当を見送ったことに関する謝罪があり,その後,業績報告がナレーション入りで説明されます。対処すべき課題についての山本社長のプレゼンテーションでは,これまでのフルライン投資からコア部門への集中を図ること,テクノロジーをベースにしたグローバルサービス企業を目指すこと,垂直統合力を生かした新サービスモデルを生み出すことなどが,One FUJITSUという名のもとに説明されました。
 今回の議案は取締役12名全員の選任と,監査役1名の選任の2件です。議案の説明があり,ここまで約45分間。いよいよ株主からの質問です。
 質問者は13名。早期の復配を求める人,株価が低すぎることを問題にする人などに交じって,富士通グループOBからの質問もありました。山本社長のプレゼンテーションが抽象的で,具体性がないことを指摘する声があり,「精神論だけじゃだめだ」という野次も飛びました。「富士通の売ろうとしている商品の顔が見えない」という質問には,富士通が,メーカーからテクノロジーサービスを売る会社へ変貌していることねへ戸惑いのように感じました。
 新任取締役候補の1人について,過去の発言等から富士通の取締役としては適任ではないという理由で,修正動議が出されたり,監査役が機能していないと怒りを表したりする株主もいらっしゃいましたが,構造改革を成し遂げ,この期末には復配にこぎつけることが努力目標であると,山本社長が言明したこともあってか,最終的には,会社側提案が賛成多数で可決され,12時13分,議事が終了しました。
 お土産は例年通り,富士通羊羹と,昨年に引き続き,乾電池の詰め合わせでした。「10年保存」とうたわれた乾電池は,災害対策用品としては非常にありがたいです。

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http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL240I3_U3A620C1000000/

【税理士 米澤 勝】