[お知らせ等]税務弘報2013年5月号――発売中です。

 税務弘報2013年5月号に寄稿しました。
 タイトルは,「会社の監査対応はどうなる?? 『監査における不正リスク対応基準』のポイント」。3月14日に企業会計審議会が公表した「不正リスク対応基準」を,会計監査を受ける企業側の担当者はどのように理解すればいいか,会計監査対応はどう変わるか,という視点からまとめました。
 会計監査をめぐっては,いわゆる「期待ギャップ」という課題があり,今回の「不正リスク対応基準」の公表も,会計監査人と被監査会社や投資家との間の溝を埋めるための一つの方策ではないかというのが,筆者の見方です。対応基準の公表から原稿の締め切りまで,かなりタイトなスケジュールでしたので,考慮不足の点が多々あろうかとは存じますが,ご一読の上,ご意見をいただければ嬉しく思います。
 本誌発売に先立つ4月3日,日本公認会計士協会が主催するシンポジウム「『企業統治と独立(社外)役員の役割』――公認会計士と弁護士への期待と課題」に参加しました。経営者不正をめぐっては,パネリストのみなさんの積極的なご発言を興味深く拝聴しましたが,やはり公認会計士さんの発言と弁護士さんの発言の間には,相容れないものがあるのではないか感じました(パネリストのお一人,山口利昭弁護士の著書から言葉を借りれば「弁護士と会計のわかりあえないミゾ」ということになるのでしょうか)。

 話は変わりますが,本誌の特集は「事業承継スペシャル」です。表紙の一番上には「企業経営はネバー・エンディング・ストーリーだ!」という文字が白抜きで記され,約90頁が費やされるとともに,「事業承継を成功に導く ネバー・エンディング・ノート」が第一付録となっています。制度そのものの有用性は理解されながら,適用要件の厳しさから使いづらいとされてきた事業承継税資の要件が緩和されることに合わせた特集かと思います。「非上場株式の株価引下げ対策」など,個人的にはひじょうに興味深い記事もあり,じっくり読まなければいけないと思っております。

中央経済社さんのHP
http://www.chuokeizai.co.jp/tax/

【税理士 米澤 勝】