[お知らせ等]税務弘報2012年2月号――発売中です。

新年,明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

当職が,昨年より連載させていただいております『企業内不正発覚後の税務』第5回「架空増資〈不公正ファイナンス〉」が掲載された,税務弘報2月号が,中央経済社さんから発売されております。

税務弘報 2012年 02月号 [雑誌]

税務弘報 2012年 02月号 [雑誌]

 今月号の目玉は,何と言っても,消費税の95%ルール改正への大手企業の対応ぶりを,各社の実務担当者による座談会形式で採り上げたことではないでしょうか。消費税の95%ルールとは,課税売上割合が95%以上の場合には,すべての課税仕入に係る消費税額について仕入税額控除を認めるというものであり,事務負担の軽減を図るということで設けられた制度です。消費税導入以来,特に大企業においては,非課税売上に係る仕入税額を控除することによる消費税の税収減が問題視されていたところ,昨年の税制改正で,課税売上高が5億円を超える場合には,この制度が適用できないとされました。
 本座談会では,各社の実務を担う方々の率直な意見が述べられていて,ひじょうに興味深く拝読させていただきました。また,出席された4社のうち,3社がSAPを会計システムとして導入しているということで,SAPのシェアの高さに改めて驚いた次第です。

中央経済社HP
http://www.chuokeizai.co.jp/tax/

当職の連載記事ですが,今月(2012年2月号)は証券取引等監視委員会が課徴金納付命令の勧告を発出した株式会社DPGホールディングスの架空増資事件と,現物出資による増資に際して,不動産鑑定評価額を不当に高くしたとして,金融商品取引法違反の疑いで経営陣のみならず不動産鑑定士までが逮捕された株式会社NESTAGEの偽計事件を題材に,「架空増資〈不公正ファイナンス〉」について,その発覚後の税務処理の検討を行っています。
どちらの事例も「上場維持」のために債務超過を回避する目的で行われた不正ですが,結果的には上場廃止の憂き目を見ただけでなく,片や課徴金の納付命令を受け,こなた経営者が逮捕されており,不正の代償は高いものについたと言えそうです。

さて,これまで5回にわたり連載を続けてまいりました『企業内不正発覚後の税務』は,今号をもちましていったん終了させていただくことになりました。
ご愛読いただいたみなさまに感謝いたします。
ありがとうございました。

【税理士 米澤 勝】