[お知らせ等]税務弘報2012年1月号――発売中です。
- 出版社/メーカー: 中央経済社
- 発売日: 2011/12/05
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筆者が連載してきた『企業内不正発覚後の税務』は,先月,誌面の関係で休載となっていたのですが,1月号には,連載第4回目が掲載されました。今回のテーマは,「反社会的勢力に対する利益供与」です。ちょうど執筆時期が,東京都における暴力団排除条例の施行時期と重なっていたこともあって,過去の税務訴訟における判決を材料に,反社会的勢力に対して経済的利益を供与したことが発覚した場合の税務上の取扱いを考察しています。
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かつては株主総会対策と称して,いわゆる総会屋と呼ばれる人たちとの付き合いが報道されることも多く,そうした利益供与に対して,国税庁は「交際費課税」を行うことにより,実質的に損金算入を制限してきましたが,コンプライアンスが重視され,内部統制が強化されるなかで,こうした不透明な支出が報じられることも少なくなりました。
今月採り上げた事例も,ひとつはいわゆる「見かじめ料」が,公序良俗に反する支出は,一般に公正妥当と認められる基準に従って計算されたものではないから,損金の額に算入できないとして否認したもの,もう一つは,業務委託費用を仮装して支出した損金のうち,通常の委託費用を超える部分の額は交際費等に当たるとして否認したものの二つです。とくに後者の事例は,上場会社の事例であるとともに,他の論点でも法人税実務に大きな影響を与えかねない訴訟であり,注目を集めたものです。
次号(2012年2月号)では,架空増資を含む不公正ファイナンスについて,その発覚後の税務を検討します。
【税理士 米澤 勝】