法務省,「選択的夫婦別姓」「婚外子相続差別規定撤廃」民法改正案を提示

http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010021901000648.html

法務省は19日、省政策会議で、夫婦が同姓、別姓を選べる「選択的夫婦別姓制度」を柱とする民法改正案の概要を示した。婚外子への相続を嫡出子の2分の1とした現行規定を撤廃し、同一とすることなども盛り込んだ。概要は法制審議会(法相の諮問機関)が1996年に出した答申と同じ内容。自民党中心の政権では反対論が強かったが、鳩山政権では今国会提出を検討中。千葉景子法相は3月の改正案閣議決定を目指して準備を進めている。

http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010021901000653.html

選択的夫婦別姓制度導入を柱とする民法改正案概要のポイントは次の通り。
一、夫婦は婚姻時に同姓か別姓かを決定。
一、決定後は同姓から別姓、別姓から同姓への転換は不可。
一、別姓夫婦の子どもの姓は夫婦いずれかに統一。
一、改正法施行前の夫婦は施行後1年以内は別姓に変更できるが、子どもの姓はそのまま。
一、婚外子への相続を嫡出子の2分の1とした現行規定を撤廃して同一化。
一、現行6カ月の女性の再婚禁止期間を100日に短縮。
一、女性が結婚できる年齢を「16歳以上」から「18歳以上」に引き上げ。
一、裁判上の離婚原因に「婚姻の本旨に反する5年以上の継続別居」を追加。


ようやく動き出したといったところでしょうか。「婚外子相続差別」(民法900条4号ただし書)「再婚禁止期間」(民法733条1項)については憲法違反の疑いが濃厚であり,早急な改正が望まれていた規定です。また,「婚姻年齢」(民法731条)については男女平等の観点から必要であり,離婚原因(民法770条1項)については上記原因を加えることによって離婚しやすくし再出発を容易にするためにも必要だと思われます。

以上のほか,夫婦別姓についてですが,やはり苗字についても個人を表すものであり,現在ではその意義に疑問のある家制度に引きづられて同姓を法律で強制する必要性はないものと思われます。『家族の絆』というものは当事者の意識によって醸成するものであり,苗字を一緒にすれば絆が生じるといったことは実証されていない以上,同姓を強制する理由にはならないでしょう。この点についても早急な成立が望まれるところです。

(阿部憲太郎)