『週刊ゴング』『ホームラン』など出版していた日本スポーツ出版社,破産手続き開始決定

http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/3212.html

プロレス雑誌『週刊ゴング』の出版を手がけていた(株)日本スポーツ出版社は、債権者より破産を申し立てられていたが、1月29日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。当社は、1968年(昭和43年)1月に設立された出版社。プロレス雑誌『週刊ゴング』など格闘技関連雑誌や、高校野球『ホームラン』などの出版を手がけ、96年12月期には年売上高約28億4800万円を計上していた。
(中略)ところが、前代表の前田氏が代表を兼務する当時大証ヘラクレスに上場していた(株)アドテックス(2006年4月民事再生⇒2007年1月破産)が倒産、同社との架空取引が判明するなど信用不安が表面化していた。さらに、前田氏らは2007年2月、同社の債権者の利益を損なったとして民事再生法違反容疑で逮捕されたことで動向が注目されていたが、同年3月には事業を停止。「週刊ゴング」は休刊となっていた。

『ホームラン』は『週刊ベースボール』と並んで野球雑誌として愛読されていました。『ホームラン』は今どうなっているのか調べてみたら,廣済堂出版(現在では廣済堂あかつき出版)から出版されているんですね。

この会社は上記記事にもあるとおり,前代表が逮捕されるという異例の経過をたどっているものの,やはりここ数年来の出版不況の影響を受けたのではないかと思っています。

インターネットで情報がいくらでも入手できる時代では,雑誌の誌面作りにも苦労するであろうことが容易に想像出来ます。今後出版業界,その中でも特に雑誌の売上は一層厳しくなり,また書籍も日販による総量規制の噂が立つなど今までのようなとにかく出版点数を増やして現金を確保するといった手法が利用できなくなるかもしれないことから,「あの出版社が」といわれるような会社が倒産するような事態になることも十分想定できる状況のようです。

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(阿部憲太郎)