裁判員候補者の不出頭に対する過料,実際には科されない?

http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010010601000479.html

昨年8〜12月に50地裁(8支部含む)で実施された裁判員裁判138件の裁判員選任手続きに呼び出された候補者計5842人のうち、622人(11%)が欠席したが、裁判員法に定められた過料を科された人はいないとみられることが6日、共同通信の集計と取材で分かった。各地裁は選任手続きに支障がなく、過料の必要はないなどと判断しているもようだ。ペナルティーを恐れ、渋々地裁に出向いた人が不満を持つ可能性がある。
集計などによると、各地裁は初公判の6週間前までに、裁判員候補者名簿から抽出した人に呼び出し状を送付。辞退希望を認めた人などを除いた24〜65人に選任手続きへの出席を求め、0〜14人(呼び出し状が届かなかった人も含む)が欠席した。事前に欠席すると伝えていた候補者もいた。
裁判員法112条は、候補者が正当な理由なく選任手続きに出席しない場合、地裁の決定で過料10万円に処すると定めているが、決定は担当の裁判官3人の裁量に委ねられている。
6日までに欠席者に過料を科したと公表した地裁はなく、複数の裁判所関係者も「過料を科したケースは聞いていない」と話している。

確かに裁判員法112条は『決定で』過料に処することとなってるのですが,敢えて欠席する旨事前に申し出た人に対しても何のペナルティーを科さないというのでは,記事のとおり「真面目な人間が…」となってしまうのではないでしょうか。国民の幅広い意見を刑事裁判に反映させるという裁判員制度の趣旨がこのままでは生かされない事にもなりかねなくなってしまうのではと思います。

(阿部憲太郎)