インターネットを利用した裁判へ

http://www3.nhk.or.jp/news/k10014687471000.html#

情報通信技術を導入することで市民が民事裁判を利用しやすくしようと、総務省は、遠く離れた場所にいてもインターネットを通じて裁判に参加できる「サイバー法廷」の実証実験を来月から行うことになりました。
総務省の委託を受けた法律の専門家グループが、来月9日から福岡県で「サイバー法廷」と名付けた模擬裁判を開きます。賃金の不払いや欠陥住宅をめぐる実際の裁判をモデルに、原告役の市民が、自宅近くの公民館からテレビ電話を使って弁護士と打ち合わせをしたり、20キロ離れた法廷と結んで証言したりします。また、公民館では、法廷の審理がインターネット中継で公開され、住民が裁判を傍聴する試みも行われます。


現時点においても,民事事件の通常訴訟においては,訴状・答弁書を提出すれば一番最初の期日に裁判所に出廷しなくてもよく,その後も電話で裁判所及び相手方との間でやり取りをすることが可能です。しかし,裁判官が証人や当事者から話しを聞くこととなった場合(いわゆる尋問の場合)には,やはりどんな遠隔地の裁判所であっても出向かなければなりません。

このような手続きがインターネットを利用して裁判所をストリーミング中継するようになれば,裁判官や相手方(の弁護士)を見ながら話しをすることができるので,より充実した裁判を行うことができるのではないかと感じています。また,法廷の様子を一般に公開することにより裁判に一般市民の目が入り,適正な裁判に資することにもなるでしょう。

裁判当事者など関係者のプライバシー等色々な問題はあるものの,一般の企業でもテレビ画面を利用した会議が普通に開催されている現状では,裁判においてもインターネットの活用を積極的に進めていって欲しいと思います。将来的には刑事事件でもインターネットを利用することにより,法廷の外でも傍聴が可能となるようになれば,より多くの人が裁判に関心を持つようになるのではないかと思います。

(阿部憲太郎)