春節と「恐帰族」

 2月と言えば,私たち税理士は確定申告シーズンですが,お隣の中国では春節を故郷で過ごす人たちの大移動のシーズンです。都市部で働く人たちが,大きな荷物をかかえて満員の列車に乗り込む様子は,TVや新聞でよく報道されるところですが,東京新聞によるとみんながみんな喜んで故郷に帰っているわけでもないようです。
そんな人たちを「恐帰族」と呼ぶとのことです。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010021102000076.html

>>中国では、十四日の春節旧正月)に故郷に帰ることを望まない若者が増えている。お年玉などで出費がかさむ上、両親に結婚予定や収入などについてあれこれ聞かれるのが面倒なようだ。こうした人たちを指す「恐帰族」という言葉も生まれた。
 中国紙・中国青年報が若者を対象とした調査では、四割が自らを「恐帰族」と認識。うち七割が「お年玉やおみやげにかかる金銭的負担に耐えられない」と答えたのをはじめ、▽長時間移動が疲れる▽親からの結婚の催促がプレッシャーだ▽実家での人付き合いが面倒−などを理由に挙げた。<<
お年玉の負担,長時間の移動,結婚の催促など,国は変わっても,若い人たちが上げる『実家に帰りたくない』思いの動機はよく似たもののようです。
私もあまり実家で正月を迎えることが好きではなかったので,この記事を読んで,自分が独身だった頃を懐かしく思い出しました。

 一方,こんなサービスもあるそうです。


>>北京では帰省の際に「彼女」として女性を一日五百元(約七千円)で貸し出す商売がお目見え。中国紙によると、親の前では手をつなぐことができ、既に二十五人が申し込んだ。二十九歳の男性は「親を心配させたくなくて」と話した。<<

 北京から離れた地方の出身の方はお年玉,お土産,交通費に加えて,彼女のレンタル費用もかかり,ますます「恐帰族」が増えるのではないかと思わせるサービスですが,とはいっても,偽装彼女を連れて帰省した結果,その後の進展を追及されて,かえってやぶ蛇にならないかと他人事ながら心配になります。

 なお,中国国務院の通知による2010年中国の法定春節休み期間は2月13日〜19日の7日間です。

2月13日(土)【大晦日
2月14日(日)【春節
2月15日(月)【年初二】
2月16日(火)【年初三】
2月17日(水)【年初四】
2月18日(木)【年初五】
2月19日(金)【年初六】

2月20日(土)、21日(日)は振替出勤

(米澤勝)