「チーム・バチスタの栄光」作者に対し,ブログの記述が名誉棄損にあたるとして賠償命じる判決

http://www.asahi.com/national/update/0118/TKY201001180333.html

医療小説「チーム・バチスタの栄光」などで知られる作家・海堂尊さんのブログで名誉を棄損されたとして、東京大学教授(病理学)で日本病理学会副理事長の深山正久さんが慰謝料など330万円を求めた損害賠償訴訟の判決が18日、東京地裁(畠山稔裁判長)であり、海堂さんに110万円の支払いを命じた。
問題になったのは、日経BP社と宝島社のインターネットサイトで海堂さんが発表した文章。深山教授が主任研究員を務め、厚生労働省から補助金を受けたAi(オートプシー・イメージング、死後画像診断)の研究に関して、研究の応募・採択は厚労省との癒着による、応募の際に他者の研究内容を盗用した、などと思わせる記述が名誉棄損にあたるとした。


テレビドラマにもなった「チーム・バチスタの栄光」ですが,原作者にこのような裁判があったとは知りませんでした。

記事だけでは不明ですが,本件の場合,名誉毀損の免責要件である『事実の公共性』と『目的の公益性』は認められるのではないでしょうか。そうすると,真実性について証明出来ず,かつ真実と信じるについて相当の理由もなかったのでしょうか。著名な方がブログと言う形で敢えてこのような記載をされているからにはそれなりの根拠があるものと通常考えられることからすると,判決の詳細を見なければはっきりとしたことは言えないものの,結論には若干の疑問を感じるところです。

(阿部憲太郎)