死刑執行,前年から半減…死刑確定者は増加傾向

http://www.asahi.com/national/update/1229/TKY200912290319.html

今年に入ってこれまでに死刑が執行された人数は7人で、2008年の15人を大幅に下回ることが確実になった。政権交代以降に執行がなくなっているのが主な理由だ。ただ、かねて死刑反対を唱えてきた千葉景子法相は、大臣就任後は「執行しない」との態度を明確にしているわけではなく、来年以降もこの傾向が続くかは未知数だ。
執行ペースはここ数年、大幅に早まっていた。06年は4人だったが、鳩山邦夫元法相の時代に「2〜3カ月に一度、1回に数人」が定着。07年は9人、08年は15人だった。今年は森英介前法相のもとで1月29日に4人、7月28日に3人の執行があった後は5カ月間、途絶えている。
一方で死刑確定者は増えている。法務省が28日現在で把握しているところでは、今年は15人が新たに確定し、確定者の総数は104人になった。このほか最高裁で死刑が維持され、判決訂正の申し立ても24日付で棄却された被告が2人おり、今年の確定者はさらに増える見通し。
増加の背景には「厳罰化」がある。朝日新聞のまとめでは、今年1年で延べ34人が地裁、高裁、最高裁のいずれかで死刑判決を受けた。27人だった08年に比べ7人増。1999年までの数年は年間20人未満で推移していたが、2000年から急増。この数年は04年42人、05年38人、06年44人、07年46人となっている。


刑事訴訟法上は死刑判決が確定してから原則として6ヶ月以内に執行しなければならないことになっている(刑訴法475条2項)のですが,違反に対する罰則もなく法的拘束力を伴わない規定と言うこともあり,その執行が時の法務大臣の意向に左右される現状です。

死刑と言う刑罰の是非については当然議論されなければならないのですが,現行法上死刑という刑罰が規定されている以上,法を平等に適用すると言う観点からも現状の執行のあり方については若干疑問も感じます。

(阿部憲太郎)