消費者金融大手アイフル,事業再生ADRが成立…270店閉鎖

マーケット: 日経電子版

消費者金融大手アイフルが進める私的整理の一種「事業再生ADR(裁判外紛争解決)」が成立した。24日午後開かれた債権者集会で、65取引金融機関が再建案に同意した。アイフルは2010年9月まで約2800億円の債務の返済を猶予してもらう代わりに、社員数を半分に減らし店舗も270店閉めるリストラを実施して経営再建を目指す。
アイフルは過去に取りすぎた利息を利用者に返す「過払い金返還コスト」に備えた貸倒引当金を大幅に積み増し、09年9月中間期に2823億円の最終赤字へ転落。社債償還などを控え資金繰り不足に陥ることが確実となっていた。

ニュースリリース(PDFファイル)
http://www.ir-aiful.com/data/current/newsobj-1704-datafile.pdf

かつては『我が世の春』を謳歌していた消費者金融も,相次ぐ過払金請求により,現在ではどこも青息吐息のようです。しかし,元はと言えば利息制限法に定める以上の金利を取っていたことからすれば,ある意味では当然の帰結とも言えるでしょう。今後も,事業再生ADRや,民事再生などの法的手続きを利用した再建を目指す消費者金融業者が出てくることは当然に予想されます。

他方,一部の弁護士・司法書士はいわゆる『過払金ビジネス』で多額の利益を挙げているようです。しかし,過払金返還を求めるのは,本来債務整理を行う中で払う必要のない利息を取り戻すものにすぎず,過払金の返還だけがいわば一人歩きしている現状はどうなのか疑問に感じます。債務整理は『生活再建』である,という原点に立脚した事件処理を行うことが今こそ強調されるべきだと思います。

(阿部憲太郎)