改正著作権法で規定された「ダウンロード違法化」,Winnyなどファイル交換ソフトの利用には無関係?

ダウンロード違法化後、Shareノード数は減少、Winnyは増加傾向 -INTERNET Watch Watch

年末年始(2009年12月26日〜2010年1月13日)の期間におけるネットエージェントの調査では、Winnyのノード数は1月1日に期間中最小(15万4400ノード)となったものの、年末年始の落ち込みとしては例年並みで、その後はやや増加傾向となっている。ネットエージェントでは、改正法の施行に影響された様子はほとんど見られないとしている。一方、Shareのノード数は、12月31日の14万5279ノードから、1月1日には10万3919ノードに減少し、以降も11万ノード前後で推移している。ネットエージェントでは、数値上は改正法の施行が少なからず影響しているように見え、Shareについては11月に全国で一斉摘発が行われたことも影響しているように思われるとしている。Perfect Darkのノード数も、12月31日の6万4325ノードから、1月1日には5万2807ノードに減少。ただし、その後はゆるやかな増加傾向となっており、改正法施行により一旦は使用を控えたものの、その後また使用を再開したユーザーが多いように見えるとしている。


ノード数とは利用回数くらいの意味です。今年1月に著作権法が改正され,「ネット上において権利者に無断で配信されている音楽・映像の著作物を,違法と知りながらダウンロードする行為」は違法となったのですが(著作権法30条1項),刑事罰は規定されておらず,また違法といっても実際に損害賠償責任で提訴されるといった事態に発展していないためか,ファイル交換ソフトの利用にはあまり影響を与えていないようです。

しかしながら,現在の「違法」という規定だけで無断配信コンテンツのダウンロードが減少しないのであれば,今後は刑事罰が規定されることも可能性としてはあることから,今後の動向が注目されます。

(阿部憲太郎)